当番弁護で来た弁護士に弁護人どうすべきかを聞いてみた ー自費で弁護人を選任できないケース 模擬接見シナリオ

当番弁護で来た弁護士に弁護人どうすべきかを聞いてみたー自費で弁護人を選任できないケース
被疑者A
被疑者A

ところで、弁護士さんと会えるのは、

今日だけですか。

弁護士B
弁護士B

一応、私が、弁護士会から派遣されてきた

当番弁護士として、お会いするのは、

今回で終わりです。

ただ、希望があれば、このまま、私が、

弁護を継続することも可能です。

被疑者A
被疑者A

できることなら、お願いしたいのです。

ただ、全くお金がなくて。

弁護士B
弁護士B

手持ちの現金と預金の額は、

どのくらいですか。

被疑者A
被疑者A

全部かき集めても、10万円くらいしか・・・。

それでは、無理ですよね。

弁護士B
弁護士B

それだと、自費で弁護士を雇うことはできませんけど、

国や弁護士会が用意している援助の制度を利用することが

できます。

被疑者A
被疑者A

詳しく教えてもらえますか。

弁護士B
弁護士B

今、Aさんは、逮捕中の状態で、

まだ勾留はされていない状態ですね。

被疑者A
被疑者A

はい、そうです。

弁護士B
弁護士B

その状態で使える国の援助はないのですが、

その代わりに、弁護士会が用意している

援助制度を利用することができます。

その制度を使えは、現段階から、

勾留決定が出るまでの弁護士費用を援助して

貰うことができます。

被疑者A
被疑者A

一部を援助してもらって、足りない分を自腹で払う感じですか。

弁護士B
弁護士B

いえ、そうではなくて、逮捕から勾留決定までの

弁護士費用は弁護士会の方で立て替えてくれます。

被疑者A
被疑者A

後で、返すわけですね。

弁護士B
弁護士B

一応、そういうことになっているのですが、

本人負担が相当な特別な理由がなければ、

費用の償還を求めないということになっています。

ですので、弁護士会の援助に関しては、

費用の面は気にしなくて大丈夫です。

ただ、弁護士会の援助は、勾留決定が出る前までに

限られています。

被疑者A
被疑者A

その後は、自腹ですか。

弁護士B
弁護士B

勾留決定が出た後は、国による援助が使えることになっています。

聞いたことがあると思いますが、国選弁護人という制度になります。

被疑者A
被疑者A

聞いたことあります、国選。

弁護士B
弁護士B

お金がなくて自費で弁護士を雇えない人のために、

国の費用で、裁判所が弁護人を付けてくれる制度になります。

この制度は、被疑者が勾留された段階で

初めて使えるようになります。

被疑者A
被疑者A

弁護士さん、変わってしまうのですか。

弁護士B
弁護士B

いいえ、私が、そのまま、援助の段階、

国選の段階と続けて担当することができます。

被疑者A
被疑者A

ぜひ、続けてお願いします。

次、どんな人が来るか分からないので。

弁護士B
弁護士B

分かりました。引き続き担当しますので、

必要な書類の記入をお願いします。

被疑者A
被疑者A

何を書けばいいですか。

弁護士B
弁護士B

ます、私を弁護人に選任します、という弁護人選任届。

民事事件での委任状に相当する書類です。

お名前を自署して、その後ろに、指印を押して下さい。

被疑者A
被疑者A

はい、できました。

弁護士B
弁護士B

後、弁護士会の援助の申込書を書いて下さい。

お名前や住所、電話番号、生年月日など、

ご自身の情報を書く欄だけ、記入して下さい。

後は、こちらで記入します。

被疑者A
被疑者A

はい、ここまで書けばいいですか。

弁護士B
弁護士B

はい、これで結構です。

書いた書類を宅下げして下さい。

担当さんに、この書類を弁護士に宅下げしたいと伝えれば、

分かります。

あと、弁護人選任届については、「指印証明をお願いします。」

と伝えて下さい。

その書類だけは、警察官に、本人の指印で間違いないことを

証明してもらう必要があるのです。

被疑者A
被疑者A

分かりました。手続してもらいます。

弁護士B
弁護士B

書類は、帰るときにもらっていきます。

後、1つだけ注意を。

今から、私が弁護人に付きますが、

勾留の決定がでる直前に、一旦、

辞任します。

そうしないと、国選弁護人がつけられないためです。

別に見捨てたわけではありません。

きちんと、手続をしてもらえば、私が国選弁護人

に選任されて、戻ってきます。

被疑者A
被疑者A

なにをすれば、いいですか。

弁護士B
弁護士B

裁判所に行ったときに、弁護人をどうするか聞かれますので、

必ず、「国選弁護人をお願いします。」と答えて下さい。

「B先生を選んで下さい。」というようなことは、

言わなくて大丈夫です。

私が選ばれるために必要な手続きは、

こちらでやっておきますので、心配しなくて大丈夫です。

被疑者A
被疑者A

分かりました。先生、よろしくお願いします。

弁護士B
弁護士B

こちらこそ、よろしくお願いします。

被疑者A
被疑者A

でも、先生。やっぱり、私は、勾留されてしまうのですか。

弁護士B
弁護士B

せっかく、早い段階から、付けたので、

勾留を阻止するために、なにができるかを、

これから話し合っていきたいと思います。